棚卸しのやり方|1週間前から当日までの手順を時間軸で解説

コラム 公開日: 2026-07-17 執筆・編集: nanco 編集部

【クラウド在庫管理アプリ「nanco」のコラム】棚卸しのやり方を、1週間前の計画から前日の整理、当日朝の記録の締め、カウント、差異の照合、終了後の振り返りまで時間軸で解説します。一斉・循環・アプリでのスキャンという進め方の選び方も現場目線でまとめました。

今週末、閉店後に棚卸し。そう決めたものの、当日いきなり数えはじめると、たいてい途中で手が止まります。
「1ケースは1と数える? 24と数える?」「数えている横で出荷していいの?」

棚卸しのやり方は、当日ではなく、1週間前からの段取りでほぼ決まります。この記事では、計画からカウント、照合、振り返りまでの手順を、当日までの時間軸に沿ってまとめました。上から順になぞれば、そのまま今回の棚卸しの計画になります。

この記事は特集「棚卸し」の一部です。棚卸しの定義や種類、時期といった全体像は、親ガイド「棚卸しとは?完全ガイド」にまとめています。

1. 最初に決める — あなたの現場に合うやり方

棚卸しのやり方は、現場の規模と営業の事情に合わせて、一斉棚卸し・循環棚卸し・アプリでのスキャンから選ぶところから始まります

あなたの現場合うやり方
アイテムは数百点まで・拠点は1か所一斉棚卸し。休業日や閉店後に、まとめて数えます
アイテムが数百〜数千点・営業は止めたくない循環棚卸し。エリアごとに範囲を区切り、少しずつ順番に数えます
アイテムにバーコードが付いているアプリでスキャン。一斉でも循環でも、転記の手間をなくせます

表の3行目は、上の2つと並ぶ選択肢ではなく道具の話です。一斉か循環かを決めたうえで、紙で数えるかスキャンで数えるかを選びます。

実地棚卸しと帳簿棚卸しの違いなど、種類の整理は親ガイドの種類の章に譲って、ここからは当日までの進め方に絞ります。

2. 1週間前 — 日時・範囲・担当を決める

棚卸しの計画は、1週間前までに日時・数える範囲・担当者の3つを決めることです

人数は、2人1組×エリアの数が目安です。ひとりが数え、ひとりが記録する前提で組みます。
あわせて棚卸表を用意します。アイテムの一覧に、帳簿上の在庫数と、数えた数を書き込む欄を付けたものです。

このタイミングで、数え方のルールも文字にしておきます。とくに単位です。「1ケース=24本入り」を1と数える人と24と数える人が混ざると、それだけで大きな差異が生まれます。

3. 前日 — 数えやすい売り場と倉庫にする

前日の準備は、掃除ではなく「数えやすくする」ための整理です

同じアイテムがあちこちに散らばっていたら、1か所に寄せます。空き箱は片付けます。返品待ちや修理中など「今回数えないもの」には目印を付けておきます。
そのうえで、当日のエリア分担と数え方のルールを、関わる全員に共有します。当日の朝に初めて聞かされると、質問と中断でカウントが進みません。

4. 当日朝 — 記録を締める

当日の朝に最初にやるのは、数えることではなく、その時点の記録を締めることです

帳簿上の在庫数を確定させて、棚卸表に落とします。ここが「どの瞬間の在庫と突き合わせるか」の基準点になります。
あわせて、カウント中に発生する入出庫の扱いを確認します。基本は、いったん止めることです。どうしても止められない出荷などは別にメモしておき、棚卸しの確定後に反映します。この線引きが曖昧だと、数えている横で在庫が動いて、あとの照合が合わなくなります。

5. カウント — 2人1組で、済みマークを付けながら

カウントは、2人1組で数える人と記録する人に分かれ、数え終えた棚に「済み」の目印を付けながら進めるのが基本形です

エリアごとに担当を割り、自分の範囲だけに集中します。済みマークは、数え漏れと二重カウントの両方を防いでくれます。
もうひとつ意識したいのが時間です。数え間違いは、疲れてくる後半に増えます。製造業の現場では3〜4人がかりで半日から1日かかる例もあり、集中力が持つ長さで終わる計画にしておくことが、いちばんの精度対策になります。

💡 数え方に迷ったものは、その場の立ち話で決めず、メモを付けて飛ばします。あとで責任者がまとめて判断すれば、ルールがぶれず、カウントの手も止まりません。

6. 照合 — 差異を見つけて、原因を調べる

数え終えたら、棚卸表と帳簿を突き合わせ、差のあるものを差の大きい順に調べます

原因の定番は、入力漏れ、破損や廃棄の記録忘れ、置き場所の違い、数え間違いです。小売の現場なら、試食やサンプルといったレジを通らない出庫も加わります。
数字だけ帳簿に合わせて終わりにすると、ズレを生んだ仕組みが残ります。翌月、また同じ差が出ます。全部でなくてよいので、差異の大きい上位だけは原因まで追ってください。差異が生まれる原因のパターンと直し方は、棚卸しで差異が出る原因の記事で詳しく扱っています。

7. 再開 — 帳簿を直して、ふだんの業務に戻る

照合と原因調査が済んだら、帳簿を実際の数に直し、止めていた入出庫を反映してから業務を再開します

朝に別のメモへ逃がしておいた出荷分の反映を忘れると、直したばかりの帳簿がその日のうちにまたズレます。棚卸表は保存します。期末の棚卸しなら、決算の根拠資料にもなります。

8. 終了後30分 — 次回のための振り返り

片付けが終わった直後の30分で今回を振り返っておくと、次回の計画がそのまま楽になります

時間がかかった棚、迷った数え方、差異の多かった場所。記憶が新しいうちに、棚卸表にひとこと添えておきます。
「またズレた」で終わらせず、「次はここを直す」まで書き残す。ここまでが棚卸しのひとまわりです。

9. アプリを使うと、この手順はどう変わるか

ここまでの手順のうち、書く・打ち込む・見比べるの部分は、アプリに置き換えられます

紙の棚卸表で数えると、「数える→書く→Excelに打ち込む→帳簿と見比べる→直す」という流れになります。時間を食うのは、実は数えることより、後半の転記と突き合わせです。

ここでは、私たちが開発しているクラウド在庫管理アプリ「nanco」の棚卸し機能で、この手順がどう変わるかを紹介します。

  • スマホでバーコードを読み取り、数えた数を入力すると、在庫数との差がその場で表示されます
  • 棚卸しを確定すると、そのまま在庫数に反映されます。帳簿を別に直す工程がなくなります
  • いつ・何を数えたかの記録が残り、CSV・Excelで書き出せます
  • エリアごとに少しずつ進められるので、循環棚卸しにも向いています

ハンディターミナルのような専用機器は要りません。くわしくは棚卸し機能の紹介ページにまとめています。

10. まとめ

棚卸しのやり方は、一言でいえば「1週間前の計画から終了後の振り返りまでの段取り」です

  • 最初に、一斉か循環か、スキャンを使うかを現場に合わせて決めます
  • 1週間前に日時・範囲・担当とルールを決め、前日に整理と共有、当日朝に記録を締めます
  • カウントは2人1組で、済みマークを付けながら、集中力が持つ長さで進めます
  • 照合では、差の大きいものから原因まで調べます。数字合わせだけだと、翌月また同じ差が出ます
  • 終了後30分の振り返りが、次回の棚卸しをいちばん楽にします

棚卸しの定義や種類、時期と頻度、税務との関係は、親ガイド「棚卸しとは?完全ガイド」にまとめています。今回の手順とあわせて読むと、全体像がつながります。

よくある質問

棚卸しは何人で、どう分担すればいいですか?
2人1組で、数える人と記録する人に分かれるのが基本です。エリアの数だけ組を作り、担当範囲を割り当てます。数え終えた棚に「済み」の目印を付けていくと、数え漏れと二重カウントの両方を防げます。
棚卸しの最中に入出庫が発生したらどうすればいいですか?
数えている範囲の入出庫は、いったん止めるのが基本です。どうしても止められない出荷などは別に記録しておき、棚卸しの確定後に反映します。どちらで扱うかは当日ではなく前日までに決めて、関わる全員に共有しておきます。
棚卸しにはどのくらい時間がかかりますか?
規模によりますが、製造業の現場では3〜4人がかりで半日から1日かかる例もあります。数え間違いは後半に増えるため、集中力が持つ長さで終わらないなら、エリアごとに分けて数える循環棚卸しを検討します。バーコードのスキャンで転記をなくすのも時間短縮に効きます。
棚卸表には何を書けばいいですか?
アイテムの一覧に、帳簿上の在庫数と、数えた数の記入欄を付けるのが基本形です。差異があったものには原因もひとこと添えておくと、次回の棚卸しが楽になります。棚卸表は保存します。期末の棚卸しでは、決算の根拠資料にもなります。