ヴィンテージ違い、一点もの、開栓中のボトル。ワイン在庫管理で迷いやすい、何を1つのアイテムにするか、グラスで出すワインをどう数えるか、棚卸しをどう区切るかを整理します。
同じ銘柄なのに、セラーには2018年と2020年が1本ずつ。エチケット(ボトルに貼られた銘柄の表示)は外国語で、名前を打ち込むだけでもひと苦労。
ワイン在庫管理は、ほかの商品と同じやり方では回らないところがあります。まずは、つまずきやすい点から見ていきます。
ワインは、同じ銘柄でも生産年(ヴィンテージ)が違えば、味も値段も変わります。銘柄名だけで記録していると、「どの年のものが何本あるか」が分からなくなります。
エチケットの表記は外国語のことが多く、銘柄名も長くなりがちです。正式な名前を正確に打ち込むのは手間がかかり、人によって書き方もばらつきます。
少量しか入らないワインや、二度と同じものが入らないワインも珍しくありません。「同じ商品を繰り返し仕入れる」前提の管理だと、合わないことがあります。
1本で数千円から数万円のワインもあります。棚卸しで1本合わないだけでも、金額の差は大きくなります。
ワイン在庫管理で最初に決めたいのが、管理の単位です。大きく2つの考え方があります。
| 管理の単位 | 向いている現場 | 記録のしかた |
|---|---|---|
| 銘柄+ヴィンテージごと | 定番のワインを、同じものとして繰り返し仕入れる | 「銘柄名 2020」を1つのアイテムにして、本数を記録する |
| 1本ずつ | 一点ものが多い。ボトルごとに値付けをする | ボトル1本を1つのアイテムにして、ボトルにQRコードのラベルを貼る |
どちらか一方に決める必要はありません。定番は銘柄+ヴィンテージごと、一点ものは1本ずつ、と分けて使う現場もあります。
登録する項目も、最初から全部そろえなくて大丈夫です。写真、種類(赤・白・ロゼ・スパークリング)、仕入れ値、売価だけで始めて、産地や生産者は必要になったら足していきます。項目を絞ったほうが、登録の手が止まりません。
飲食店では、ボトルを開けてグラスで出すワインもあります。開けたボトルを、いつ在庫から減らすかを決めておかないと、棚卸しのたびに数え方が変わってしまいます。
考え方は、主に2つです。
どちらでもかまいませんが、店の中でひとつに決めて、全員が同じやり方で記録することが大切です。
セラー、店頭の棚、倉庫など、ワインは置き場所が分かれがちです。棚卸しでは、置き場所ごとに範囲を区切り、ひとつずつ数え終えていくと、数え漏れや二重カウントを防ぎやすくなります。全部を一度に数えるのが大変なら、日を分けて置き場所ごとに少しずつ数える方法もあります。
1本の値段が高いぶん、差が出たときは、数字を合わせて終わりにせず原因まで追うのが大切です。開けたボトルの減らし忘れ、開栓中のボトルの数え方のばらつき、置き場所の移動の記録忘れなどが、よくある原因です。
棚卸しの段取りは棚卸しのやり方、差が出たときの直し方は棚卸しをしないとどうなる?差異の原因と直し方で詳しく扱っています。
ここでは、私たちが開発しているクラウド在庫管理アプリ「nanco」を使うと、ワイン在庫管理がどう変わるかを紹介します。
アイテムは、名前だけを入れれば登録できます。ヴィンテージ、産地、仕入れ値、売価などの項目(属性)は、必要になったときに自由に追加できます。
アイテムには写真を付けられます。名前が読みにくいワインも、在庫一覧でエチケットの写真を見れば見分けられます。登録するときにその場で撮影するほか、Excel や CSV でまとめて登録したアイテムに、あとから写真を足すこともできます。
赤・白・ロゼ・スパークリングといった種類ごとや、セラー・店頭・倉庫といった置き場所ごとに、フォルダを作って分けられます。棚卸しのときも、フォルダ単位で範囲を区切って数えられます。
バーコードやQRコードのラベルを作って印刷できます。ボトルに貼っておけば、スマホで読み取るだけでどのワインかが分かります。棚卸しでも、読み取って数を入力できます。
ユーザー数はどのプランでも無制限です。スタッフを招待して、同じ在庫情報をリアルタイムで共有できます。招待は、管理者がメールアドレスを入力して送るだけです。
仕入れ値や売価などの金額を、メンバーごとに表示するか非表示にするかも選べます。アルバイトのスタッフには銘柄と本数だけを見せる、といった使い方ができます。
まずは、セラーの一角だけでも写真付きで登録して、本数を数えて記録するところから始めてみてください。