在庫管理システム・アプリは、機能で選ぶか、価格で選ぶかの2つの視点で比べると決めやすくなります。在庫管理システムのプロが選ぶ6つのアプリを、視点ごとに、目的別のおすすめとしてまとめました。
在庫管理システム・アプリを選ぶ視点は、機能と価格の2つです。
この記事は、在庫管理アプリ「nanco」を開発している株式会社N sketch が書いています。比べている料金と機能は、2026年11月4日に各社の公式ページで確かめたものです。表はそれぞれの見方で並べ、総合の順位は付けていません。nanco は私たちの製品なので、どの表でも最後に置いています。
迷ったら、機能で2〜3つに絞ってから、価格で比べると決めやすくなります。
比べるのは、zaico・freee在庫管理(旧ロジクラ)・スマートマットクラウド・Sortly・BoxHero・nanco の6つです。在庫管理の仕組みを知っている私たちが厳選して、価格帯も導入しやすいものを選びました。
機能は、在庫の数をどう入れるかで比べます。まずスマホで足りるかを見て、足りなければ専用の機器、出荷が多ければ伝票との連動へ進みます。
専用の機器が必要になるものは、価格帯が高くなってきます。最近はスマホのカメラの性能も高く、専用の機器がなくても使い勝手の良いシステムができてきています。
棚から物を出した人が、その場でスマホからプラス・マイナスを入れます。いろいろな人が少しずつ出し入れする場面向けで、専用の機器は要りません。
バーコードは、6つともスマホのカメラで読み取れます。その場で入れる使い方を中心にしているのは、zaico・Sortly・BoxHero・nanco です。freee在庫管理は入荷・出荷の検品が中心で、ロジクラのアプリの案内には棚卸しもあります。スマートマットクラウドは、重さを量るマットに載せない在庫の数を、スマホのブラウザで入れます。
Sortly の画面と案内は、英語だけです。ほかの5つは日本語の画面があります。
バーコードの読み取りは、各社のページで紹介されています: zaico・freee在庫管理・Sortly・BoxHero・nanco
スマホのカメラでは足りないときや、すでに専用の機器を使っているときは、対応を確かめます。
表は、公式に対応を書いている機器が多い順です。
| 製品 | ハンディターミナル | 外付けのバーコードリーダー | RFID | 重さの機器 |
|---|---|---|---|---|
| zaico | 対応(デンソーウェーブ・キーエンス) | 対応 | 別料金のオプション(リーダーはデンソーウェーブの1機種) | 重量計のオプション(ベーシック以上) |
| スマートマットクラウド | 公式に記載なし | 公式に記載なし | エスマットの RFID と連携 | 重さのマット |
| BoxHero | 対応(設定の手引きあり) | 対応 | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| Sortly | 公式の対応はなし(使えた例の紹介はある) | Ultra 以上 | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| freee在庫管理 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| nanco | 非対応(スマホのカメラで読み取る) | 非対応(スマホのカメラで読み取る) | 非対応 | 非対応 |
重さの機器は、ネジや液体、粉のように、1つずつ数えにくい物に向いています。この記事の6つでは、スマートマットクラウドがこの仕組みで、重さを量るマットに物を置いて数えます。zaico にも重量計(ZAICON)のオプションがあります(ベーシック以上)。
マットは在庫ごとに置いて紐づけます。
入荷の予定や出荷の指示をパソコンで作り、届いた物や送る物をスマホで照合すると、数が動きます。
入荷の機能は、6つとも組み込まれています。出荷は、スマートマットクラウド以外の5つが組み込んでいます。違うのは、範囲と、使えるプランです。
ただ、大きな違いは機能の有無より、作りの考え方にあります。在庫管理システムには、倉庫向けのシステム(WMS)として作られたものが多くあります。現場で数を入れていく作りか、入荷・出荷のデータをもとに倉庫の作業を回す作りかで、使い勝手や画面の組み立てが変わります。
工場、店舗、メーカーのように現場の数を大事にするのか、倉庫の作業を回したいのか。自分たちがどちらに近いかを考えると、選びやすくなります。
濃い部分が中心にしている範囲、薄い部分が対応している範囲です。公式ページの機能と成り立ちをもとにした、私たちの見立てです。
表は、倉庫寄りの製品から順に並べています。
| 製品 | 入荷 | 出荷 | 帳票 | 外のサービスとの連携 |
|---|---|---|---|---|
| freee在庫管理 | 組み込み(Lite) | 組み込み(Lite。ピッキング、送り状の CSV) | 納品書 | Shopify など。POS は別料金 |
| zaico | 組み込み(スターター以上。入庫検品はベーシック以上) | 組み込み(スターター以上。ピッキングと送り状データはベーシック以上) | 発注書・納品書 | ネットショップはネクストエンジン経由(ベーシック以上・別料金)。POS、freee会計。API |
| BoxHero | 組み込み(発注書。ビジネス) | 組み込み(販売注文。ビジネス) | 発注書・請求書など(ビジネス) | ネットショップと会計は直接の連携なし。API・Zapier(全プラン) |
| スマートマットクラウド | 組み込み(入荷管理。自動発注あり) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | API(在庫や履歴の取得) |
| Sortly | 組み込み(発注書。Ultra 以上) | ピッキング(Ultra 以上) | 発注書(Ultra 以上)、請求書(Premium 以上) | QuickBooks(Premium 以上)。API は Enterprise |
| nanco | 組み込み(全プラン) | 組み込み(全プラン) | 発注書・納品書・請求書など8種類(全プラン) | 組み込みの連携なし。ファイルの入出力で受け渡す。API は開発中 |
スマホで入れる製品でも、入荷・出荷の機能を併せて使えます。入荷・出荷を製品の中心にしているのは freee在庫管理です。公式は、ネットショップ、店舗、卸など、売り場をいくつも持つ会社に向けて作ったと書いています。
公式ページに書かれている機能から、目的ごとに合う製品を並べました。1つの目的に複数あるときは、公式に書かれた条件が少ない製品を先に置きました。
| こんな会社なら | おすすめ | 理由と条件 |
|---|---|---|
| いろいろな人が、棚から少しずつ出し入れする | zaico・Sortly・BoxHero・nanco | その場でスマホから数を入れる |
| いまのハンディターミナルを使い続けたい | zaico・BoxHero | 公式に対応を書いている |
| 外付けのバーコードリーダーで読みたい | zaico・BoxHero・Sortly | Sortly は Ultra 以上 |
| RFID の札で読みたい | スマートマットクラウド・zaico | スマートマットクラウドはエスマットの RFID と連携。zaico は別料金のオプション |
| ネジや液体など、数えにくい物を数えずに補充したい | スマートマットクラウド | マットが重さで数える。zaico にも重量計のオプションがある |
| 送り状まで含めて、出荷を毎日動かしたい | freee在庫管理・zaico | freee在庫管理は Lite から、zaico はベーシック以上 |
| 入荷・出荷の機能を、一番下の有料プランから使いたい | freee在庫管理・BoxHero・zaico・nanco | Lite・ビジネス・スターター・スタンダードから入っている。zaico の検品とピッキングはベーシック以上 |
カタログに並ぶ機能では、在庫管理システムに大きな差はあまりありません。差が大きいのは、使いやすさです。
いつも自分たちがしている作業を、どうやって実現できるのか。どのくらい簡単にできるのか。それぞれのシステムを試しに使って確かめることをおすすめします。
nanco はグッドデザイン賞(2023年)を受賞していて、使いやすさには自信があります。
5人なら、料金を公開している5つは、年払いの初年度で月3千〜1万6千円くらいです。下の表は、1,500品目を登録できる一番安い有料プランを、年払いにした月あたりの額です。初年度だけ額が違う製品は、初年度の額に「〜」を付けました。
2026年11月4日時点の額で、税抜です(nanco だけ税込)。 製品名のリンクから、各社の料金ページを開けます。
表は、1人の初年度の額が安い順です。ドルの製品は、1ドル125〜210円のどの為替でも順が変わらないことを確かめて並べました。2年目からは BoxHero が zaico より安くなります。nanco は私たちの製品なので、額にかかわらず最後に置いています。
| 製品 | 1人 | 5人 |
|---|---|---|
| zaico スターター | 3,980円〜 初年度のみ。2年目から8,980円 | 5,300円〜 初年度のみ。2年目から11,980円 |
| BoxHero ビジネス+品目の追加 | 34ドル | 44ドル |
| Sortly Ultra・2,000品目 | 74ドル〜 初年度のみ。2年目から約119ドル | 74ドル〜 初年度のみ。2年目から約119ドル |
| freee在庫管理 Lite・出荷300件まで | 16,000円 | 16,000円 |
| スマートマットクラウド | 資料で案内 | 資料で案内 |
| nanco スタンダード | 3,480円 税込 | 3,480円 税込 |
導入の負担を抑えるなら、年払いの割引も見ておきます。1人で使う場合の、月あたりの額です。
| 製品 | 月払い | 年払い | 割引 | 1年で安くなる額 |
|---|---|---|---|---|
| zaico | 8,980円 | 3,980円 初年度のみ | 55%引き | 60,000円 |
| BoxHero | 40ドル | 34ドル | 約15%引き | 72ドル |
| Sortly | 149ドル | 74ドル 初年度のみ | 約50%引き | 900ドル |
| freee在庫管理 | 19,000円 | 16,000円 | 約16%引き | 36,000円 |
| スマートマットクラウド | 資料で案内 | 資料で案内 | 資料で案内 | 資料で案内 |
| nanco | 5,980円 税込 | 3,480円 税込 | 約40%引き | 30,000円 税込 |
年払いは長く使う前提の割引が多いので、無料プランやお試しの長さも一緒に見ておきます。ずっと無料で使えるプランと、期間を区切ったお試しは別のものです。表は、無料プランがある製品を先に、そのあとはお試しが長い順です。
| 製品 | 無料プラン | お試し | カードの登録 | お試しの後 |
|---|---|---|---|---|
| zaico | あり(1人。スキャンでの入出庫と棚卸しは含まれない) | 30日(スターターとベーシックの基本機能) | 不要 | 自動で課金されない。契約しないと、データを見られなくなる(データは残り、契約すると使える) |
| BoxHero | あり(1人・100品目・1拠点) | 30日(ビジネス) | 不要 | 登録しないと、無料プランに移る |
| Sortly | あり(1人・100品目) | 14日(有料プラン) | 必要 | 取り消さないと、有料に切り替わる |
| freee在庫管理 | なし | 14日(一番上のプラン) | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| スマートマットクラウド | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| nanco | なし | 31日(すべての機能) | 不要 | 自動で課金されない |
図の棒は増え方のイメージで、金額の比較ではありません。人が増えると、差は広がります。10人の年払いなら、zaico は初年度8,600円・2年目から19,480円、BoxHero は69ドル、freee在庫管理は16,000円、nanco は3,480円(税込)です。
使い始めたあとに困ったとき、どこに聞けるかも製品で違います。表は、導入の手伝いを公式に書いている製品が先です。
| 製品 | 問い合わせ | 導入の手伝い |
|---|---|---|
| zaico | スターターはメールとフォーム。電話はプロ(ベーシックは有料の伴走で) | 初期設定ガイドと毎月のオンラインセミナー。初期の取り込みの代行と伴走は、ベーシックの有料オプション |
| freee在庫管理 | Lite はチャット、Premium はオンライン面談 | オンラインで3回(初期費用あり) |
| スマートマットクラウド | フォーム・メール・電話(平日10:00〜12:00、13:00〜17:00) | 専門のスタッフが導入を支援(費用は公式に記載なし) |
| BoxHero | 画面のチャットとメール。通常、営業日は24時間以内に返信(日本語での対応は公式に記載なし) | 公式に記載なし |
| Sortly | フォームからメールで返信(日本語での対応は公式に記載なし) | 公式に記載なし |
| nanco | メールとお問い合わせフォーム、オンラインの無料相談 | 全プランでオンラインの導入サポートとデータ移行サポート |
公式ページで確かめた要点を、1つずつまとめました。並びは順位ではありません。
nanco が合わないかもしれないのは、次のような会社です。
画面は、この記事を書いている nanco のものだけを載せています。他社の画面は、各社の公式ページで見られます。料金は nanco の料金ページ、スマホでの入れ方は nanco のスマホアプリのページで紹介しています。
棚卸しの数え方は「棚卸しのコツ」、棚卸しの全体像は「棚卸しとは?完全ガイド」にまとめています。ほかの記事は「在庫管理のコラム一覧」から探せます。
料金と機能は2026年11月4日に、成り立ちとバーコードのページは11月5日に確かめました。料金や機能は変わることがあるので、契約の前に各社の公式ページで確かめてください。
nanco 以外の製品の料金と機能は、各社の公式ページに書かれていることだけを載せています。公式ページで確かめられなかったことは「公式に記載なし」と書きました。
料金が変わっていたら直します。内容の誤りや古くなった情報に気づいた方は、編集方針・運営者情報のページにあるお問い合わせからお知らせください。