在庫回転率とは?
在庫回転率とは、お店が商品をどれだけ効率的に販売し、補充しているかを示す指標です。これは一定期間(例えば 1 年間)に何回在庫が入れ替わったかを示すもので、特に小売業において非常に重要な指標となります。
なぜ在庫回転率が重要なのか
在庫回転率を理解することで、商品の価格設定、生産量、販売方法、仕入れ時期などを検討する際に役立ちます。この指標を見ることで、お店の運営が適切か、改善の余地があるかを把握することができます。
在庫回転率の計算方法
在庫回転率の計算方法は、以下の2種類の方法があります。
1.金額で計算する方法 2.個数で計算する方法
1.金額で計算する方法
金額の計算方法は、売上原価(COGS)を期間中の平均在庫額で割るだけです。
- 売上原価(COGS) は、商品を販売するまでに直接かかったすべての費用です。小売業であれば商品の仕入れ金額や流通コスト、製造業であれば原料の仕入金額、製造費、製造に関わる人件費などの諸経費を含みます。
- 平均在庫額 は、期首と期末の在庫額を足して 2 で割ったものです。
期首在庫・・・前期末の在庫をそのまま翌年の期首に繰り越したもの 期末在庫・・・その期の最後にあった在庫のこと
例えば:
A さんのお店で、1 年間の売上原価が 500 万円、期首在庫が 50 万円、期末在庫が 70 万円だったとします。
- 平均在庫額の計算:(50 万円 + 70 万円) / 2 = 60 万円
- 在庫回転率の計算:500 万円 / 60 万円 = 8.33 回
つまり、A さんのお店では 1 年間に 8.33 回在庫が入れ替わったことになります。
2.個数で計算する方法
個数で在庫回転率を計算する場合は、対象期間内の全ての出庫数(総出庫数)を平均在庫数で割ります。 平均在庫数とは、期首の在庫数に期末の在庫数を足して、2で割った数になります。
在庫回転率の見方
在庫回転率が高い場合、商品がよく売れており、在庫管理が効率的であることを示します。以下のようなメリットがあります。
回転率が高い場合:
- 利益の増加が期待できます。在庫に縛られる資金が減少するためです。
- リスクの軽減が図れます。古くなったり壊れたりする在庫が少なくなります。
- 人気商品である可能性が高いです。ただし、回転率が高すぎると在庫不足により売り逃しのリスクがあるため注意が必要です。
逆に、在庫回転率が低い場合、以下のような問題が考えられます。
回転率が低い場合:
- 商品があまり売れていない可能性があります。
- 過剰在庫を抱えている可能性があります。これにより、コストが増加し、古くなったり壊れたりするリスクが高まります。 -在庫管理に問題があるかもしれません。
ただし、在庫回転率が低いからといって必ずしも悪いわけではありません。例えば、まとめて仕入れて安く購入したり、需要が増える時期に備えて在庫を増やしている場合もあります。
注意点
在庫回転率は便利な指標ですが、以下の点に注意が必要です。
- 業界による違い: 業界によって在庫の持ち方や商品の種類が異なるため、単純な比較は難しいです。例えば、商品の賞味期限のある飲食料品小売業の場合は、必然的に在庫回転率は高くなる傾向があります。
- 季節変動 : 季節によって売れ行きが変わる商品は、在庫回転率も変動します。
- コスト変動: 商品を作るコストや原材料の値段が変わると、在庫回転率にも影響します。
在庫回転率を活用し、お店の在庫管理を効率化し、より儲かるお店を目指しましょう。
nanco なら…
nanco を利用することで、いつ、どの商品が何個出庫したか、自動で履歴データが蓄積されていきます。この履歴データを使用して、任意の期間(1週間でも、1ヶ月でも、1年間でも)の総出庫数と平均在庫数を割り出し、在庫回転率を計算することが出来るようになります。